朝のなぎさ公園は、ワンコ連れ以外の人達もいっぱい。
歩く人、走る人、体操する人・・・ さまざま。
4~5日前のこと。
よく見かける80歳越えの、やさしそうな“お散歩オジイチャン”。
ズボンの両ポケットには、茶色・黄色・緑色の三色が混ざったドライフードが、どっさりと。
すれ違うワンコ達に、ポケットから一握り出しては、朝の施しをするのが楽しみらしい。
一方、99パーセント以上を食欲に支配された脳ミソを持つピートが、
このオジイチャンの行動を見逃すわけもなく、
『あのオジイチャン、美味しいモノをくれるんだっ!』
ウサイン・ボルト顔負けの猛スピードで爆走し、
オジイチャンの前まで行くと、即シット。
オジイチャンの手は、ピートの頭をひとしきり撫でた後、おもむろにポケットへ。
「あっ、ウチは、いいです。 いいです。
帰ったら、すぐに朝ご飯を与えますから。
有難うございます。すみません。」と、
必死で、三色フードを辞退申し上げるが、
「遠慮せんでもええで。 ほれ、イヌも欲しがっとるがな。」と、
すでに、オジイチャンの右手にはフードがガッツリと握られて・・・
「本当にすみません。
お腹をこわしていますので、(とっさに、ウソをついた私。)
どうか、与えないでやって下さい。」
「そうか。 ほな、今度やるしな。 今日は辛抱せいよ。」
「すみません。 本当にすみません。」 (私は、なんで謝ってんだろか?)
そして、今朝、なぎさ公園にオジイチャンが。
私、リードを持つ手に力を込める。
やんわりと、ピートに近寄ってきたオジイチャン。
「もう、腹は治ったか?」 (若者にも劣らない記憶力だ!)
「あっ、はい、あの、まだ薬を飲んでいます。」 (二度目のウソ。 自己嫌悪。)
「暑い時期やしなぁ。 治ったら、ぎょうさんやろうな。」
「すみません。 有難うございます。 ・・・ 」
おいらにはくれへんの? (ごめんね、ピート。)
「食べ物は与えないで下さい。」
きっぱりと言えばいい。 わかってはいるんだけど。。。
きっぱりと言えばいい。 わかってはいるんだけど。。。