2009年6月21日日曜日

ピートとパパの会話(その60 音響空間)

パパ 「今日は、室内音響空間の話だよん」
ピー  「オーディオに関係するの?」
パパ 「そう、部屋の構造で音の響き方が全然違うという話」
ピー  「ほと、いくらオーディオ装置が良くても、部屋の構造で
    音質評価に違いが出てくると言う事かな」
パパ 「そうそう、実は、山の隠れ家からオーディオ装置を持って
    帰ったんだ」「でも、家で聴くとどうも駄目なんだな~」
ピー  「あー、あの汚いオーディオ装置ね。また何故持ち帰ったの?」
パパ 「これこれ、汚いは余計だよ」
    「持ち帰った理由は、周囲に定住者も増えてきたし、強烈な
    音量で聴いているのもねぇ・・・」


ピー  「周囲の雰囲気をぶち壊す?」
パパ 「ま、そう言う事かな」「多分、音が大音量で漏れていると思う」
    「それに、皆さん自然という静かな環境を楽しんでいるしね・・・」
    「以前からその事が気になっていたんだ」
ピー  「なるほどねぇ、自然という環境に、都市生活をそのまま持ち
    込むのは良くないと言う事だ」
パパ 「んだ、今ならカッコウも鳴いているし、可憐な山野草を楽しむこと
    もできる」「そういう場所では、自然と一体になるべきだろうね」
    「さて、本題に入ろう」
ピー  「音響空間の話だね」
パパ 「隠れ家の音響空間は、2階の天井まで吹き抜けとなっている」
    「豆コンサートホールのような空間にオーディオ装置を置いて
    いたんじゃ」


ピー  「おいらも知っているよ」「天井も斜めにスロープがついていた」
パパ 「こういう空間では、音が篭らず上に抜けていくんだ」
    「特に、低音が殆ど篭らないからベースの音階が明解に分かる」
ピー  「スピーカーも良いから?」
パパ 「それもあるけど、部屋の空間容量に依存するところが大きい」
    「天井が高いと低音が篭らないから、いくらボリュームを上げても
    明瞭に音楽を再生する」「だから、大音量で聴くことができる」
ピー  「そうか、世界中のコンサートホールやオペラハウスは、物凄く
    天井が高いね」
パパ 「そうだよん、それと低音というのは音楽再生の要だ」
    「低音を巧く再生出来ないと、何をやっても駄目だね~」
    「その為、部屋の空間も含めてオーディオ装置と見做すんだ」
ピー  「低音ねぇ・・・具体的にどういうことなんかな?」
パパ 「天井が低いと、低音がボワンボワン響いて非常に不明瞭な
    音になる」「低音の抜ける場所が無いということなんだ」
ピー  「行き場所が無いから、音同士の干渉が始まるんだね」
パパ 「低音のエネルギーは、中高音に比べて物凄く大きいから、
    他の音域の音をマスクしてしまうんだ」
ピー  「つまり、低音域が勝ってしまい、音の明瞭さを損なうんだね」
パパ 「で、低音を絞ると、今度は聴こえなくなる」「それの堂々巡りだ」
ピー  「う~ん、オーディオ装置のみを幾らいじくっても駄目と言う事か」
    「オーディオの無間地獄だね」
パパ 「そうなるね」「大抵は、この事態を何とか打開しようと、
    スピーカーケーブルを交換したり、スピーカーの下にブロックを
    置いたりする」
ピー  「効果はあるの?」
パパ 「ま、殆ど変わらんね」「特に、ケーブル交換は無意味じゃないかな」
    「それよりも、置き場所を色々変えたほうが余程効果的だね」
    「驚くほど音の響きが変わる」
ピー  「で~、オーディオを持って帰って聴いてみてアカンのかいな」
パパ 「そう言う事。だけど、暫くすると、そのアカン音に慣れてくる」
    「人間の脳が、アカン部分を補完するんだな~」
ピー  「ほほ、学習効果だね」
パパ 「だけどね~、それ以上に町内の雰囲気と部屋の雰囲気が、ジャズや
    音響装置と合わん」
ピー  「何じゃそれ?」
パパ 「ほら、ジャズを聴く部屋のインテリアとかさ、そういうセンス
    というか、雰囲気ってあるじゃん」
ピー  「日本家屋じゃ駄目なの」
パパ 「部屋の雰囲気は、それ風に改造するつもりじゃが、町内は
    どうにもならん」
ピー  「そういや~、パパの音響装置は、隠れ家周辺の佇まいや部屋の
    雰囲気とマッチしていたな~」
パパ 「隠れ家の音響空間は、60年代の録音スタジオ風にデザイン
    したんだ。素人デザインだけどね」
ピー  「部屋にネオンサインやティン看板が一杯あったなぁ」








パパ 「上の写真の飾りを殆ど取り去ったから、只の部屋になって
    味も素っ気も無くなったー。 無茶殺風景だよ。はは」
ピー  「おー、小さなコンポだけにしたのかぁ」 ↓
パパ 「で、その跡を灯油ランプが灯る質素な山小屋風にデザインするか、
    どうするか、ただ今思案中」


ピー  「することが一杯あるんだね~」
パパ 「んだ」