2008年12月7日日曜日

ピートとパパの会話(その37 アウトドアファッション)


ピー  「上の写真は?」
パパ 「冬山登山をした時の写真だよ」
ピー  「今日は、ファッションの話題とか言っていたね」
パパ 「アウトドアのね」「ファッションというより機能の話だね」
ピー  「機能?」
パパ 「繊維だとか防水性能とかね」
    「アウトドア衣料のメーカーは、ノースフェイスを筆頭に
    コロンビア,パタゴニア,フェールラーベン,ミレー,
    ジャックウルフスキン,モンベル,タラスブルバ,
    フォックスファイヤー等、山ほどあるよ」
ピー  「知ってるよ」
    「おいらもモンベルのリードとカラーを持ってるけんね」
パパ 「リードで持ち易いのは、ザイルで作ったものだね」
    「耐久性、軽さ等抜群だよ」「但し、ファッション性に欠ける」
ピー  「カラーなんかもさ、皮で裏打ちしてあるものが、刺激を
    感じなくていいなぁ」「鹿皮でできたものが最高なんだけど」
    「でも、美味しい匂いがしてかじりそうになるんだ」
パパ 「さて、それぞれのメーカーについて話そう」
    「パパは、25年ほど前にノースフェイスのウールズボン
    を買って驚いたね」
ピー  「何を?」
パパ 「有名デパートで売っているファッションズボンに比べて、
    縫製が全く違ったね」「物凄くしっかり縫っていて、風合いも
    最高だった」「二重縫いというか、縫い方が違うんだなぁ」
ピー  「何故、そんなに厳重な縫製をしているの?」
パパ 「野山での使用は、生命に係わることもあるからさ」
    「その為、最高の技術で縫製をしているし、生地の品質も良い」
    「アウトドア衣料のメーカーは、ヒマラヤ登山なんかで製品
    テストを繰り返しているんだよ」
ピー  「高価なんだろうね」
パパ 「高いけど、それなりの値打ちがある」
    「昔のノースフェイスのTシャツは、何回洗濯しても
    首周りの繊維が伸びなかったね」
ピー  「今の物は伸びるの?」
パパ 「そうだね~・・、実は、ドラマでキムタクがノースフェイス
    の製品を着たんだな~」
ピー  「何か問題でも?」
パパ 「街のアンチャン連が、キムタクの真似をして、ファッション
    でノースフェイスを着るようになったんだ」
ピー  「アウトドアファッションだね」
パパ 「するとさ、街着となって品質を落とした節があるんだな~」
    「伸びなかった首周りが、伸びるようになった・・・とかさ」
ピー  「生死を左右する状況を想定しなくてよくなった?」
パパ 「そこが問題というか、心配でしようがないね」
    「ダウンジャケットでさ、外側が極薄のビニールのような繊維で
    覆われたものがあるんだけど、それをアウターとして着ている
    んだな」「あの製品は、本来インナーなんだよね」
ピー  「アウターには、耐摩耗性の撥水繊維のものを着るんだろう」
パパ 「そう、マウンテンパーカーとかね」
    「それをレイヤード(重ね着)と言うんだ」
ピー  「最近、マウテンパーカーを着ている人を見かけないね」
パパ 「ピートのように、ゴソ原が好きな連中には、マウンテン
    パーカーがいいよ」「繊維は60/40クロスだしさ」
ピー  「60/40クロスって何?」
パパ 「ナイロン60% 綿40%を使って織り込んであるんだ」
    「摩擦に強いし、濡れると綿が膨らんで防水性を発揮する」
    「以前、フィールドワークのプロが、東京でマウンテンパーカー
    を着ている人がいる、と言って驚いていたよ」
ピー  「バックカントリーというか、里山向きのウェアなんだね」
パパ 「タラスブルバのマウテンパーカーは、生地がよかったね」
    「でもさぁ、これもファッションアイテムとなって、昔より
    生地が薄くなった気がするね」
ピー  「タラスブルバって?」
パパ 「アシックスのアウトドアブランドだよ」
    「タラスブルバは、何故か撥水加工をしていない製品が多いな」
    「ダウンなんかでさ」
ピー  「どうして撥水加工をしないんだろうね」
パパ 「フィールド向きだけど、街着として開発されたように思う」
    「問題は、これを登山店で扱っていることだね」
ピー  「街着としての性能なら、登山店より単なる衣料品店で扱うべき
    なんだね」「登山で使うと生命の危険を伴うよね」
パパ 「タラスブルバは、登山向きよりも、全体的にバックカントリー
    向きの製品が多いね」「コロンビアやパタゴニアの製品も、
    バックカントリー向きだね」
ピー  「モンベルはどうなの?」
パパ 「これは、大阪に本社がある新進気鋭の会社だ」
    「アウトドア全般の製品を作っている」「カヌー用品にも
    力を注いでいるね」「製品にはファッション性もある」
    「ここは、ストームクルーザーというレインウェアで有名だよ」
    「完全防水のジャケットなんかもある」
    「モンベルは、ヒマラヤ登山でも通用する製品を作っているよ」
ピー  「メーカーにも色々特徴があるんだね」
パパ 「モンベルのラガーシャツなんか、ファッションセンスも良い」
    「パパも買ったけど、肌触りと風合いがとても良いんだな」
    「でも、ラガーシャツだから、風通しが良くって風邪を引いたよ」
ピー  「あのさ、ゴアテックスって経験した?」
パパ 「ゴアのオールウェザージャケットとシューズを持っているよ」
    「でも、ゴアテックスは、繊維がゴワゴワして着づらいなぁ」
ピー  「研究の余地ありだね」
パパ 「ゴアより性能の良いレインウェアが日本にあるよ」
ピー  「何?」
パパ 「古来より日本にある蓑(みの)だ」
ピー  「なぬ~、あの田圃で着る古臭い蓑~」
パパ 「そうだよ、撥水性、通気性で蓑に勝る製品は、まだ世界に無い」
    「ただ、使い勝手が悪いんだな~」
ピー  「ところで、フォックスファイヤーって何よ?」
パパ 「フォックスファイヤーとは、衣料のブランド名で、日本の
    ティムコという会社の製品だ」「元々フライフィッシング用品
    を扱っていた会社だよ」
ピー  「ほう、何か特徴は?」
パパ 「カモフラージュのデザインが、最高の出来だね」
    「20年前、このデザインのフィールドシャツを買い損ねた。
    もう無いね」
ピー  「フェールラーベンとは?」
パパ 「スウェーデン王室ご用達のアウトドアブランドだよ」
    「スウェーデン語で北極キツネを意味する」
    「表参道のフェールラーベン専門店に何回も通ったね」
ピー  「王室ご用達ねぇ~」
パパ 「この会社は、サバイバルジャケットで有名だね」
    「ポリエステル65%,綿35%で摩擦に強く、使い込むほどに風合いが
    出てくるという」
ピー  「マウンテンパーカーと同じじゃん」
パパ 「コンセプトは同じだ」「相違点は、両袖が外せるので夏でも
    OKだよ」「最大の特徴は、防水性能が低下すれば、専用の蝋を
    塗りこんで、自分でメンテナンスできることだね」
    「それと、ポケットが用途別に30個近く付いている」
    「実は、パパも買い込んであるんだ」
ピー  「あのね、ズボンを履くと膝が出たりするんだけど、何かない?」
パパ 「伸縮素材を使ったズボンがある」「長時間の正座でもシワが
    できないし、撥水加工も施してあるね」
ピー  「それ欲しい!」
パパ 「登山店に置いてあるよ」「日本製のフェニックスとか、
    オーストリア製品でも良い物があるね」
ピー  「ミレーは?」
パパ 「ミレーは、おフランスのアウトドアブランドだ」
    「フリースのデザインなんか、とてもシャレている」
    「でも、防風機能の無いものがあるね」「モンベルなんかは
    防風性能を重視している」
ピー  「ジャックウルフスキンは?」
パパ 「ドイツのブランドだ」「このブランドは、未体験だね」
    「ピート兄が、スキーウェアとして使っているよ」
    「アウトドア衣料は、生地,縫製,機能,デザイン、どれを
    取って見ても最高の製品だね」「一度着るとやめられない」
ピー  「機能だとかは理解できるけど、デザインがまた何故?」
パパ 「フィールドで着るから、街着の常識から解放されたデザイン
    が可能なんだ」「だから、デザインも色も斬新なんだよ」
    「つまり、ファッション的に使えるってこと」
ピー  「ジッパーは、プラスチックと金属と両方あるけど?」
パパ 「登山用は、水分が付着して凍るからプラスチックを使うんだ」
    「ジャケットでも、両脇にベンチレーターが付いていたり、
    色んな工夫がしてあるよ」
ピー  「何か一杯買い込んでる感じだな~?」
パパ 「でも着ないね。仕舞ってある」「タグが付いたままの物もある」
ピー  「またどうして?」
パパ 「着込んでしまうと洗濯の必要があるし、風合いが落ちるんだ」
    「それと、アウトドアで着ると、泥が付着して汚れる」
    「勿体無くて山でなんか着られないよ」
ピー  「何それ! パパこそファッションじゃない」
パパ 「うふふ、まーね。普段は、量販店の擬似アウトドア衣料で
    済ませているんだ。里山では、これで充分さ」
ピー  「にゃるほど、高価だから勿体ないんだ」
    「じゃ、買う必要ないじゃんか」
パパ 「あの~、女性は何故スカートをはくのか知ってる?」
ピー  「突然なんなん?」
パパ 「スカートの理由がちゃんとあるんだ。次回に教えよう」