2008年10月8日水曜日
ピートとパパの会話(その22 max田舎だ!)
パパ 「さて今日は、生活環境についてのウンチクだ」
「住んでいる所が、街か田舎か、という論争だ」
ピー 「論争とは大袈裟な」
「おいらは、街に住んでいると思う」
パパ 「ほ~、その根拠は?」
ピー 「高速道路まで10分、新幹線乗車まで30分くらいだね」
「昔の東海道沿線だし、国道1号線も直ぐ傍を走っているよ」
「日本中何処へ行くにもすこぶる便利だ」
「近くにはオペラハウスもある。コンサートホール兼用だけどね」
「へへ、これだけ揃っていれば、街だと思わないかい!」
パパ 「なるほど、でも便利だけじゃ街とは言えない」
「街であるためには、三つの条件が必要だね」
ピー 「三つの条件?」
パパ 「その1.中古レコード屋があること」
「その2.ジャズ喫茶があること」
「その3.ヴィンテージ・オーディオ店があること」
ピー 「なんじゃー、それ~。 パパの趣味じゃんかー」
パパ 「ははは、そうだよ」「自分の住んでいる行政区域に、
この三つの条件が揃っているかどうかで、街か田舎か
判断できる」
ピー 「それって、あまりに主観的じゃないの?」
パパ 「ノー、三つとも客観的事実だ」「文化的余剰の無い所には、
この三つは存在しない」「これは、文化の特異的余剰だ!」
「特異だからこそ、条件としての意味合いがある」
ピー 「余剰・・、つまり、無くても良い存在ということだね」
パパ 「別に無くても済むが、余剰というのは文明を生む根源だ」
「昔から6大都市には、この3条件が全て揃っている」
ピー 「だとすれば、仙台なんかも揃っているんじゃないかい」
パパ 「その意味では大都会だ。地方でも探せばあると思うね」
「残念ながら、ピートの住んでいる所は三つとも無い」
ピー 「ちゅーことは、max田舎か!」
「でも~、オペラハウスがあるよ。専属歌手もいる」
パパ 「あ~、あれね。行政の箱物だね」「あれを企画した
女性行政官を知っているけど、彼女の趣味だ。というと、
また叱られるかな」
「あれはね、年間経費が20億円で、15億円を税金で賄っている
らしい」「で、あんな物作らずに、老人ホームを作るべきだ、
という苦情も聞く」「田舎は大変だ」
ピー 「あの建物は苦情の一部か~」「外国文化に投資し過ぎだな」
「何故行政は、箱物を作りたがるのかな」
パパ 「そらもう、東京にあるものは全部欲しがる」
「田舎の都会趣味だ」
「しかし、おらが村では、運営のノウハウが分からんとくる」
ピー 「赤字転落のツケは、全ておいら達の負担だな、もう!(怒)」
「つまり、田舎にオペラハウスは要らないのか~・・・」
パパ 「オペラだとかは、都会で観劇して初めて意味がある」
「そういうものを観劇する文化的雰囲気ちゅーものは、
都会でしか味合えないと思うよ」
「つまり、文化としての社会インフラが、総合的に整っていないと、
頓珍漢なことになるんだな」
ピー 「そうか~、オペラは長時間だから、食事をする
洒落たレストランも必要だね」
パパ 「まぁ、エスコートするご婦人を伴って、駅前のニコニコ食堂で、
田舎のラーメン・ライスという訳にはいかんわな」
ピー 「おいらは、そっちの方が気を使わなくていいや」
パパ 「オペラハウスのついでに、ちょっと話の余剰をすると・・」
「パパの職場にソプラノ歌手がいたんだけど、もの凄く禁欲的だ」
「喉をやられるから、煙草は勿論、酒も飲まない」
「大変な努力で、あのソプラノ声域を保持しているんだ」
「ところがジャズ歌手は、酒どころかヒロポンもやっちょる」
ピー 「だからかぁ、ジャズ歌手のガラガラ声は~」
パパ 「これこれ、ハスキーボイスと言いなさい」
「ま、アニタ・オディとかね。彼女は麻薬中毒じゃった」
ピー 「ところで、オペラって聴きに行く?」
パパ 「好きな人は、遠くでも聴きに行くよ」「ママもドイツオペラを
聴きに行ったしね。近くのオペラハウスだけれど」
「大体オペラちゅーのは、他愛も無い男女の痴話話が
殆どなんだけど、 それを著名な作曲家と高名な歌手が
やるもんだから、高尚に見え ちゃうんだな」
ピー 「そんなこと言うと、叱られるぞー」
パパ 「いやいや、これはオペラ好きの知人と話していた時の意見だから
問題ない」
ピー 「次回は何?」
パパ 「創造性について話そうか」