BEETHOVEN
TRIO No.7 IN B-FLAT MAJOR FOR PIANO,VIOLIN AND CELLO
Op.97,"Archduke"
ピー 「上の文字は?」
パパ 「久しぶりにクラコンに行ってきたのじゃよ」
ピー 「クラコン? 何のコンテスト?」
パパ 「クラシック・コンサートだよ。変な文字はその曲目だよ」
ピー 「え~と、と、と、ベートーヴェンのピアノトリオ7番かぁ」
パパ 「そうだす、有名な '大公' ね」「招待券を貰ったんだ」
「平日の6時半開場だったけど、お腹が空くので軽食を少し
食べることにしたんだ。もちピートママとね」
ピー 「ええの~、何を食っちゃーの?」
パパ 「ベートーヴェンに合わせてドイツ料理と思ったけど、田舎には
無いんだわ」「ほんでイタリア料理にしたんだわさ」
「曲はドイツ人作曲、聴くのは日本人、料理はイタリアで、
日独伊三国同盟となり、ちゃんと辻褄が合う」
ピー 「何じゃそれは。で、軽食と言ったよね」
パパ 「そう、ワシは~・・フェトチーネ・アマトリチャーナとかいう
発音するだけで舌が痙攣するスッパゲッテー料理。ははは」
「ピートママは、これまた難しい名前のピッツァを食っちょった」
ピー 「南蛮料理の名前は難しいの~」「パパの発音も奇妙だから
訳わーらん」「で、何処のコンサートホールであったの?」
パパ 「我が湖国のびわ湖ホールじゃよ」
ピー 「そこでベートーヴェンを聴いたちゅー訳か」
「全部で何曲くらい聴いたの?」
パパ 「ロマン派とかを取混ぜて7曲だったね。前半は、3人のソリストの
独奏を含め6曲、後半が大公、それとアンコールが2曲、差し詰め
ガラコンサートのような感じだった」
ピー 「お目当ての '大公' はどうだったの」
パパ 「そうね、この曲は、所謂 ”ハイリゲンシュタットの遺書” 以降に
作曲された '傑作の森' に入っている作品だ」
ピー 「遺書って、また何よ?」
パパ 「ベートーヴェンが難聴になって、ワシャもうあかんねん、死にそう
なんやねん、そやけど作曲もしたいねん、という気持ちを弟と甥宛
に綴った遺書だよん」
ピー 「そらえらいこっちゃ、助けなあかん」
パパ 「しか~し彼は、この遺書を書いて気が晴れて、スカッとした気持ち
で作曲に励めるようになったのじゃよ。これが1802年の出来事」
「そういうことを頭に描きながら聴いちょった」
ピー 「遺書を書く事によって、悶々とした精神が解放されたんだね」
パパ 「これ以降、数多くの名曲を生み出すんだ」
「英雄・運命・田園・熱情・ヴァイオリン協奏曲・他50曲余りかな」
ピー 「あぁ、それがロマンロランが名付けた有名な '傑作の森' か~」
「それでアンコールは?」
パパ 「アンコールは2曲、1曲目は猫の何とか・・? 曲目を失念、
2曲目はバッハの ”主よ、人の望みの喜びよ”だった」
ピー 「演奏はどうだった?」
パパ 「何と言うか~、ファミリー向けコンサートのようだったなぁ」
「だから~、演奏スタイルもそれなりに~・・・、
オーバーパフォーマンスで~・・・楽しかった~、ふふ」
ピー 「ふーん、びわ湖ホールの音響は?」
パパ 「大ホールでの演奏会だったけど、少し残響が長い感じがした」
「ピアノの音が丸く聴こえるね。音が良いという事なのか知らん」
ピー 「大ホールだからじゃない?」
パパ 「そうかも知れないし、家では恐ろしく鮮明なハイパワーサウンド
で聴いているから、その感覚が影響したのかも知れないね」
「でも、室内楽は室内楽のホールで聴きたかったな~」
ピー 「びわ湖ホールの全体的な印象は?」
パパ 「滋賀のコンサートホールにしちゃー、上出来です」
「でも京阪電車が~・・。その話は別の機会に」