見上げる前方には、硫黄岳がそびえる。
おいらもおっ母も、あの頂上に立ちたい。
でも、おっ父の辞書に、『忍耐』という文字が無いことは、
家族全員の周知の事実だし。。。
途中下山を主張するおっ父を、なんとか説得しようと、
おいらは、おっ母と作戦会議を始めた。
その結果、兎にも角にも、次の山小屋『オーレン小屋』まで、
おっ父が付いて来ざるを得ないように、
おいらが『おとり』になって、どんどん先を行く作戦を採った。
(ポチッとすると、ピートの居場所が判ります。)
うひっ、しめしめ。
おっ父、ぶつくさ言いながらも登ってくるぞ!
おっ父~、おっ母~、 六月になったのに雪やで~。
ここまで来て見て~。 (ご機嫌のとりかたも、グッド、グッド。)
その後も、何度も何度も振り返って、
おっ父の様子を確認しながら登り続ける。
そして、ようやく着いた二つ目の山小屋『オーレン小屋』。
一息ついたら・・・ 出たあ~~~~大あくび!
ほんまにもう、うちのおっ父には手が掛かるわ。
(つづく)