2010年6月8日火曜日
めざせ、硫黄岳!(4)
『オーレン小屋』のスタッフの皆さんは、おいらを大歓迎してくれた。
おいら嬉しくて、疲れがいっぺんに吹っ飛んだ。
ここは、硫黄岳から下山する人達と、これから硫黄岳を目指す人達の、情報交換の場。
おっ父は、ここでゆっくり休んだら下山するつもりなのだ。
だって、今回のトレッキングの折り返し点は、「最高でも、オーレン小屋」って言ってたもん。
ところが・・・
山小屋のご主人が、「何処まで行くの?」と、尋ねてくれたら、
おっ母、「昼頃まで、行けるだけ行きたいんですけど。」
ご主人、「じゃあ、硫黄岳まで行けるよ。」
おっ母、すかさず、「えっ、ほんまですか! ほな、硫黄岳登頂決行します!!」
おっ父、「・ ・ ・」
かくして、おいらはもちろん、おっ父も硫黄岳へと進路を採ることになった。
おっ母は、もう絶好調。 脇目も振らずにガンガン歩く。
おいらも歩くの大好きだし、冷たく澄んだ空気に満たされたシラビソの原生林は、この上なく気持ちがいい。
おっ母と一緒に、ますますピッチが上がる。
一方、 おっ父だけ登る速さが遅い。
遅れて姿が見えなくなったおっ父を、おいらは何度も逆走して捜しに行く。
そのうえ、「おっ母、あのね、仲間はお互いを尊重し、一致団結して行動しなくちゃいけないよ。 どっかの幹事長みたいに、『〇〇外し』されちゃうよ。」と、おっ母を説得しなくちゃなんない。
おっ父には手が掛かるけど、おっ母にも、これまた手が掛かるんだ。
あーあ、もう、おいら、グレちゃうぞ!