2008年8月20日水曜日

ピートとパパの会話(JAZZ編その9)


ピー 「上の写真は何よ?」
パパ 「真空管に2000Vの電圧を掛けて、整流実験をしているんだ」
    「青白く光っているのは、水銀蒸気だよ」
ピー 「こんなことを家でしているの?」
    「2000Vって、感電すれば即死じゃない。危ないなぁ」
パパ 「さて、オーディオの奇奇怪怪に入ろう」
    「真空管アンプと半導体アンプと、
    果たしてどちらの音が良いと思う?」
ピー 「当然真空管アンプだろーて」
パパ 「その根拠は?」
ピー 「世の中、皆さんそう言ってるじゃん」
パパ 「それは噂です。根拠ではない。自分で調査しなきゃ」
ピー 「でも実際に真空管アンプで聴いてる人が、半導体より
    音が良いって言ってるよ」
パパ 「確かに昔の半導体アンプは、音の悪いものもあった」
    「それは設計の未熟さから生じた問題だよ」
ピー 「ふーん、おいらにはよく分からないなー」
パパ 「実は、評価の大前提があってね、オーディオ業界では
    ブラインドテストをすることがタブーとなっている」
ピー 「何なのそれ?」
パパ 「カーテンの後ろに多種多様のアンプを隠しておいて、
    それらを切替ながら音質評価をすることだよ」
ピー 「な~るほど、一番公平な評価が出来るね」
パパ 「それを絶対やらない」
    「やればオーディオ業界が成り立たなくなる」 
    「つまり、談合だ」
ピー 「ふ~ん、真空管アンプの評価が絶対良いとは限らないの?」
パパ 「そうだよ、パパが経験した実例を話そう」
ピー 「ほう、ノンフィクション・リアリズムかいな」
パパ 「秋葉原にある音響専門店の社長が、特別にアンプの
    試聴をさせてくれたんだ」
    「SITという半導体を使ったアンプがあるんだが、それを試聴
    したところ、真空管の比じゃなかった」
    「かつて経験したことのない艶かしい音がしたんだよ」
    「当の社長が、比較試聴した何十万円もする真空管アンプを、
    こんなアンプ糞食らえだと言って足蹴にしたのには驚いた。
    本当の話だよ」「この店は、値段は高いが良心的だった」
ピー 「その足蹴の真空管アンプ欲しい!」
パパ 「半導体アンプの性能は、真空管を遥かに凌いでいる」
    「真空管アンプの弱点は、音質性能が出力トランスの位相特性に
    依存していることだ」「難しいから説明は避けるね」
ピー 「聞いても分からんぜよ」
パパ 「大体やね~、昨今の音源は、全て半導体機器を使った工程から
    生まれてくるんだよ。しかも、ディジタルで」
    「それを真空管アンプで聴いたって、どこまでも元祖半導体の音
    しかしないんだな、これが」
    「それに、アナログレコードの周波数精度を決定するRIAAという
     電子回路も、半導体の方が正確で安定した性能を保てる」
    「有名なドイツEMT社のプロ用のレコード再生回路も半導体だよ」
    「絶対真空管! なんて言ってるのは、素人と、それで儲けようと
    している人々だけじゃないかなぁ」
ピー 「なるほど、真空管がそんなに良いのなら、FM放送局の機材は
    全て真空管の筈だよね」
パパ 「音の良し悪しの決定要素は、真空管以外にあるんだ」
    「真空管は、単なる前世紀の増幅素子にすぎない」
    「でも、真空管には、一種のノスタルジーを感じさせるものが
    あるんだな」 
ピー 「パパは半導体派なんだね」
パパ 「ノン、殆ど真空管装置を使っている」
    「家には保守用真空管が3000本以上ある」
ピー 「3000本 なに~それ! 言ってることと矛盾するじゃんか」
パパ 「あはは、実は真空管大好き人間なんだ!」
    「真空管は、我が青春のノスタルジアなんだよ」
    「何故か性能に関係なく魅かれるんだな」
    「早く言えば趣味だ」「でも、真空管の方が優れている部分
    もある。軍用通信機なんかでね。その話は別の機会にでも」
    「ま、アマチュアは、好みで真空管か半導体かを選べば良いさ」
    「真空管アンプの話題は尽きないから、またにしよう」
    「次回は、巷で話題のスピーカーケーブルの話だぞ~」
ピー 「へっ?」