2010年1月13日水曜日

ピートとパパの会話(その77 小沢が解る?Ⅵ)


パパ 「さてと小沢どんの続きをやろう」
ピー  「またかねぇ」
パパ 「まだ6回目だよ~ん」
    「少しは小沢どんが解ってきたかい?」
ピー  「解る訳ないよ。あの人は一体何を思っているのか・・?」
パパ 「今回は、その本質に迫ろうと思っちょるのよ」
ピー  「ほ~、本当かね。で、解るんかいな」
パパ 「人の心は、そう容易く解るほど簡単じゃないけどね~」
    「そもそもピートはどう思っているのん?」
ピー  「あのね~、脱官僚と言ってるけど、元官僚を郵政の社長に
    据えることをOKしたりさ、どういうことなん?」
パパ 「それは簡単なことだよ、ピート」
    「このまえ、咬み付き亀の件でも言ったけど、小沢どんの
    脱官僚とは、自民寄りの官僚だけを締め出すということなんだよ」
ピー  「なん? だったらそう言えば解り易いのにー」
パパ 「小沢どんが政権内に入れた官僚は、民主寄りの人々だ」
    「それと、大きな政府が目標だから官僚と対立する理由がない」
    「今は、単に政府と官僚との間の制度を見直しているだけだよ」
    「小沢どんの脱官僚とは、大衆票を期待してのリップサービスと、
    権力を小沢どんに集中さすためのものだ」
ピー  「だとすれば、人が悪いな」
パパ 「先程政府入りを果たした枝っちを知ってるかい?」
ピー  「衆議院議員の枝野氏だろう。弁護士じゃんか」
パパ 「あん人は、反小沢だったけど、今回の政府入りで急に小沢どんに
    媚びるようになった感じがする」
ピー  「どうして?」
パパ 「小沢どんが参院選の票数を睨んで、これ以上党内から反小沢の
    意見が出てくるとまずいから、それを阻止したんじゃないかと・・・」
ピー  「政府に入れてやるから黙っとれ、ということだな~」
    「枝っちにも、何がしかの色気があるんだなぁ」
パパ 「ま、参院選後にどういう扱いを受けるかだ」
    「現在の小沢どんは、今年の選挙対策で頭が一杯なのさ」
ピー  「だから、今んとこ嫌いな人にも眼を瞑っているんだな~」
    「すると、参院選後には小沢どんの性格からして、徹底的に
    反小沢組は排除されるかも知れないなぁ」
パパ 「お~、解ってきたね~」
ピー  「でもさ、反小沢組をどうやって排除するんだろう?」
パパ 「小沢どんは、選挙の職人だ」「戦い方を知っている」
    「そういう方法を伝授しないとか、党として資金を渡さないとか」
    「極端な話、落選するようにもって行くとかで排除していくの
    だろうね」「小泉やんが選挙でやった手だよ。公認しないとかさ」
ピー  「そういうやり方は、近代的な民主国家とは思えない!」
パパ 「或いは、有能な人材であっても閣外に置いておくとかだね」
    「これは国家的損失に繋がる」 
ピー  「排除を見せ付けることで、他を従わせるのかぁ」
    「だから皆さん小沢どんに従うのだな~」
    「民主的な政権運営じゃないな。古臭いやり方だ」
パパ 「パパもそのような気がするね」
ピー  「ほと、何も分からない一年生議員なんかは、小沢どんの
    言い成りなんだね」
パパ 「そ、小沢どんに従わねば次が無いからね」「そうやって党内多数
    を獲得して行くんだ」
    「で、言い成りにならない人は、小沢どんとバイバイして新たな
    政策集団を作るか、自ら党を出て行く」
ピー  「辞任した藤井爺っちゃんのことだな」
    「多数工作のためには、お金もいるのだろうね」
パパ 「自民の議員にお金の問題が付きまとうのも、派閥を纏めるためだ」
    「元自民の小沢どんも然りだ」「やり方が古すぎる」
ピー  「田中角栄と同じじゃん」
パパ 「小沢どんと角栄では、どえらい違いがある」
ピー  「どのように? 同じようなやり方に見えるけどねぇ」
パパ 「昔、ある人が角栄師匠に、あなたの周りには人が集まってくるけど、
    一体どのような方法で人を集めるのかって聞いたんだ」
    「すると、角栄師匠はこう言った。”敵を作らないことだ。さすれば、
    自然と人が集まってくる”とね」
ピー  「なるほど~、敵を作らないことかぁ」
パパ 「だけど、小沢どんはすぐ敵を作る」「そこが角栄師匠と根本的に
    違う」「それに角栄師匠は”人たらし”で喧嘩をしない」
    「ま~ま~、と言って敵をも見方に付け、お金で懐柔もする」
ピー  「ふ~む、それに対し小沢どんは、敵を排除していくんだねぇ」
    「それと、根回し無しで自分の意見だけを押付ける雰囲気もあるね」
パパ 「小沢どんは、どんなに優秀な人物や秀逸な政策でも、自分の意に
    反すれば排除しようとする」
    「もし、小沢どんが角栄師匠から学んだものがあるとすれば、
    それは銭集めの方法だけだろうね」
ピー  「技術面だけだね。小沢どんは、人に対する好き嫌いが激しすぎる?」
パパ 「ちゃう、数に反対する人を排除するだけだ」
    「彼は政治家として、異なる意見を纏める器量がないんだな」
    「だから、恫喝するようなことを言って、相手を従わせようとする」
ピー  「国家の利益とか国民の利益とかは、あまり考えないんだね」
    「党利党略優先?」
パパ 「彼は自民の復権を恐れている」「散々辛酸をなめさせられたからね」
    「小沢どんを潰せるのは、自民の議員しかいないかも知れないよ」
ピー  「はは~ん、自民の決めた政策を没にしていくのは、そのためか」
パパ 「かつて小沢どんは、新自由主義を掲げていたんだ」
    「しかし、数を得るためにそれを捨て、雇用政策を前面に打出した」
ピー  「全ては数のためか~。どうしてもそこに帰結するね」
パパ 「小沢どんはね、自分自身でその矛盾を認識しているから、
    変わって行かねばならぬ、と言って辻褄を合わせるのさ」
    「そして、以前言ったことを反故にする」
    「ま、本質は、土着の利益誘導型政治だと思うな~」
ピー  「辻褄合わせということは、根本にある数への思いは不変なんだ」
    「将来の展望を示さないのも、目の前の数しか見ていないからだね」
パパ 「例えばね、福田政権の時、小沢どんは福田おじさんに対し、
    とにかく連立を組もう、政策は後でどうにでもなるから、と迫った」
ピー  「何が何でも与党かね?」
    「それに、政策はどうにでもなるって、どういうこと?」
    「場当たり的で信用できないな」
パパ 「与党になれば、政策決定の主導権も握れるし、都合のいい法案
    だけを通すことも可能だ」
    「だから先ず与党になるための数集めだ。適当な政策で票を
    吸い寄せ、後で理由を付けて止めればいいとなる」
ピー  「それが小沢どんの本心? 結局のところ、権力欲の世界かね?」
パパ 「小沢どんがやってきたことは、角栄以降の政治世界で、経世会の
    主導権争いや、自民の閣僚人事といった勢力争いでしかない」
    「彼は、それに敗れて自民を飛び出したんだ。その怨念が彼にはある」
ピー  「それでは民主主義の理念が何たるかを考える余地もないね」
    「だから小沢どんは、単純に多数決だから、って迫るんだな~」
パパ 「民主主義を口にする小沢どんは、どう見ても可笑しい」
    「頭の中には数しか見当たらないのに・・・」
ピー  「すると、勢力争いに専念するため、政策は官僚にお任せ?」
パパ 「そういう世界でやってきた人だからねぇ」「数集めに都合のいい
    政策だけ選んでいる」「例えば消費税について、単独過半数の
    暁には名前を変えて、またぞろ国民福祉税となって出てくるかも」
ピー  「ったく、権力の世界というのは~・・・」
パパ 「一番の心配事は、党内で民主主義の機能が働かないことだね」
    「小沢どんは、権力を集中さすことに必死になっている」
ピー  「え~とね、小沢どんは、党内でも若手議員を中心に数を集めて
    いるようだけど何故かね?」
パパ 「それは、党議拘束があるからだよ」
ピー  「それ何よ?」
パパ 「議会採決の前に、党内で案件の可否を決めておくことをいう」
    「でないと造反議員が出るからさ」
ピー  「信念だと言って造反するとどうなるの?」
パパ 「党から除名される」「だから造反できない」
    「案件の可否は、数で決定されるからねぇ」
ピー  「だからだな~、小沢どんが自分に都合よくするために党内票を
    集めているのは~」「ここでも数の論理かぁ」
パパ 「彼は自民党内で、そういうことを学習してきたからね~」
    「いずれはイラ菅や岡田ジャスコ、前原兄ちゃん、仙谷イエス、
    川端バッタンといった面々と覇権を争うことになるだろうし」
    「若手を小沢派に集中させているのは、その為の数準備だ」
ピー  「どうして争いごとになるの?」
パパ 「イラ菅は市民運動出身で小沢どんと肌が合わない。都会的だ」
    「岡田ジャスコは考え方が左翼的だ」「前原兄ちゃんは中国脅威論だ」
    「仙谷イエスは旧社会党出身で反小沢だ」「小沢どんと何とか
    肌が合うのは川端バッタンだね。彼は自分色が無い。
    しかし、韓国との領土問題で意見が分かれそうだ」
ピー  「皆さん小沢どんと意見が合わないんだなぁ」
    「何かさ、かつての自民対社会の対立を、民主党内に持込んだ感じ
    がするねぇ」
パパ 「図星!」
    「もう一つの心配事は、参院選後の姿が見えないことだ」
ピー  「見えない?」
パパ 「小沢どんの言う二大政党制へのプロセスが示されていない点だ」
ピー  「確かに聞いたことがないね」
パパ 「小沢どんは、それを国民にはっきりと示さなきゃ」
    「でないと、参院選後についての不信感が拭えない」
ピー  「不信感?」
パパ 「小沢強権政治の到来だ」
    「彼にはヒューマニズムをあまり感じないし、民主主義を論ずる時の
    インテリジェンスも貧相な気がするなぁ」
    「彼は、そういう雰囲気を払拭する必要があると思うがねぇ」
ピー  「ふむふむ」
パパ 「ヒットラーの”我が闘争”に、大衆は小さな嘘には騙されないが、
    大きな嘘には騙されるとある」「小沢どんはどちらの嘘かな?」
ピー  「我が闘争の引用とは、また大袈裟だね」
パパ 「全体を通して、小沢どんの言葉の変化を、一連の数集めのための
    流れとして捉えれば、何となく彼が解るんだけどねぇ・・・」
    「問題は、参院選後に小沢どんが何を言い出すかだね~」
ピー  「そこで小沢どんの本質が見えてくる?」
パパ 「今後とも政権が安定するか否かは、小沢どんがイラ菅などと、
    どれくらい妥協できるかに掛かっている」
ピー  「角栄師匠の”人たらし”を真似ればいいんだ」
パパ 「そういう性格じゃないからね~、小沢どんは~」
    「俺が言ってるんだ。嫌なら辞めろと・・・」
ピー  「あ~、宮内庁の誰かが言われたなぁ」
パパ 「これでは、またまた長続きしそうにないな~」
ピー  「心配だねぇ」