2009年10月3日土曜日

ピートとパパの会話(その65 理系と文系)

 
ピー  「上の写真は?」
 パパ 「友愛の鳩だよん」 
ピー  「今度の首相は、日本初の理系だって?」 
パパ 「そうらしいねぇ」 
ピー  「理系と文系ちゅーのは、何がどう違うのかね~」 
パパ 「ウ~ン、別に同じじゃないのかなぁ」 
ピー  「ほんと~?、でも世間じゃいろいろ言っちょるよ」 
パパ 「サラリーマンを例にとると、文系は入社する前から
      イニシアティブを取ろうと必死になってる者が多い」
 ピー  「何よそれ?」 
パパ 「入社前に研修会と称して新人の囲い込みをするんだが、
     その中でグループを仕切ろうとする者が出てくるんだ」 
ピー  「ほう、それが文系出身者?」 
パパ 「大抵はね」「理系出身者は、与えられた課題に対する
     最適解を得るのに必死だ」「お互いの専門知識を駆使して
     自然と協同作業をやっちょる」 
ピー  「ふ~ん、文系は集まると勢力争いになるの?」 
パパ 「放っておくと、グループの親分を決めるような議論を
     やっちょる」 
ピー  「ほうほう、な~るほど」 
パパ 「一方理系は、論理的な思考方法で正解を導き出す教育を
     受けているから、何事にも科学的手法を取ろうとする」 
ピー  「ほ~、カッカしないというか、頭に血がのぼらないんだ」 
パパ 「これは、教育訓練の結果だろうね」
     「ま、状況でこれも変わってくるんだけど」
 ピー  「だけど何故文系は、損得勘定というか勢力争いになるの」 
パパ 「そらあんさん、文系はどうやって儲けるかばかりを勉強
     してきたからね。つまり、専門が勢力争いなんだ」 
ピー  「そんなことを教えているのぉ」 
パパ 「ほんで、その時々に権謀術数を巡らすからして、文系は
     一番有利な群れに集まってくる」 
ピー  「は~・・、マキャベリの君主論だわ」 
パパ 「おっ! ピートも面白い例えをするじゃ~ん」
     「今日の話題はさ、民主党の政権交代が裏にあるんだけど」
     「民主党の抱える問題は、正に君主論に書かれている中身 
    そのものだ」 
ピー  「えーっ! ルネサンス時代に書かれた政治思想だろう?」
 パパ 「いやいや、現代でも立派に通用する」
 ピー  「でもイタリアの話じゃん」 
パパ 「ところ変われば品変わる、変わり変われど変わらぬものは、
     人の心とオナラの音だ」
     「これは万国共通の世界観・歴史観だ!」 
ピー  「なんじゃってー?!」 
パパ 「だからね、理系であっても銭の分捕り合戦になると、
     やはり勢力争いに発展しょ~るのよ」 
ピー  「目的に利害が発生すると、勢力争いになるんだね
」     「文系は、発生前からそれをやるのかぁ」
     「まるでおいら達のパン喰い競争だなー、はは」
     「だから理系も文系も同じだということ?」
 パパ 「人間は、その時の立場で行動様式が変わるんだ」
     「理系から文転した、なーんてのがあるじゃん」
 ピー  「ほほう」
     「以前、音楽は人間の感情を記号論理で表現していると
     言ったよね」
     「そういう意味では、音楽は理系なのかな?」
 パパ 「そう言えるんじゃないかい」「経理なんかもそうだよ」 
ピー  「え~? 経理って読み書きそろばんの筆頭文系じゃない」 
パパ 「いやいや、例えば税効果会計なんかでコンピューター・
     シミュレーションをやったり、多分に理系的だ」
 ピー  「な~る・・・、だから経理屋さんは、コンピューターが 
    得意なのかぁ」
 パパ 「彼らと話すと、数字に基づく極めて冷静な判断が返って 
    くる」「正に理系だ」  
ピー  「営業のファジーさなんか通用しないね」
 パパ 「じゃけん、営業の人は、経理マンと話すのが苦手なのさ」
     「それに、お金や数字の動きを追って行くと物事の本質が 
    見えてくる」「経理は非常に理論的な仕事世界でもある」
 ピー  「は~ん・・・」 
パパ 「ま、純粋な文系は、音楽を除く芸術系、文学、それに法学
     くらいじゃないかな」
 ピー  「そうか~、金融工学なんちゅーのは応用数学を駆使するし」
 パパ 「だけどさ、絵画の遠近法とか、幾何学的造形なんてのは
     理系のセンスだろうねぇ」「ダビンチは発明家でもあった」
 ピー  「もう訳わからん」 
パパ 「どうしても理系・文系に分けるなら、人間同士で勢力争いを
     繰り広げる人種は文系。これは人間が相手だ」 
ピー  「じゃ、プロレスは文系だな」 
パパ 「・・・・・」     
         「人間ではなく、事物や数理を対象とする人は理系だと言える」
 ピー  「じゃ、哲学者は?」
 パパ 「パパは理系だと思うね。物事の本質を論理的思考によって
     導き出すからね」「論理学なんか、その最たるものだよ」 
ピー  「経済学なんかは?」 パパ 「経済学も完全な理系だと思っちょる」
         「しかし、そこ に イデオロギーがくっ付くと文系の学問となる」
 ピー  「は~ん、階級闘争が入ってくると勢力争いの学問になるんだ」
     「嫌じゃの~」
 パパ 「他にもいろいろあるが、理系と言われる首相も、勢力争いに
     巻き込まれれば、自然と文系の行動様式に染まっちゃう」 
ピー  「単に得意分野が異なるだけで、人間としての本質はさほど 
    変わらないということかぁ」「区分けする意味がないね」 
パパ 「大体やね、社会科学・人文科学・自然科学というように、
     全ての学問には科学という字が付いとるのよ」 
ピー  「ふーん、学問的には全てが科学なんだねぇ」
 パパ 「それを単純に二分して、しかも専門によってあたかも
     人間性が異なるようなことを論じるのは可笑しな話だよ」 
ピー  「専門によって、その行動手法が異なるだけか~」 
パパ 「そ、専門を離れれば、みんな只の人さ。♪」