2008年10月27日月曜日

ピートとパパの会話(その26 憧れの田舎暮らし)


パパ 「さぁー、憧れの田舎暮らしだ」
ピー  「待ってましたー、田舎暮らし!」
パパ 「でもね、田舎暮らしの注意点が幾つかあるんだ」
ピー  「不便だとか?」
パパ 「ノーね」
    「退職後に田舎暮らしを始める人は、4年目くらいに
    認知症を発症する例が少なくない」
ピー  「なぬ? 楽しい筈の田舎暮らしでしょうが?」
パパ 「田舎暮らしも3年目までは、観光、家庭菜園、読書
    などに励むんだけどね~」
    「しかし、それも4年目くらいから飽きてきて、
    することが無くなる」
    「すると、大体4年目に認知症を発症するんだな」
ピー  「それ本当?」
パパ 「ある人が、福祉従事者の話だと言って教えてくれたんだ」
    「特に男性の発症例が多いそうだ」
    「恐怖のワシ男とか、濡れ落葉とか、産業廃棄物とか
    呼ばれている男性諸氏。特に気をつけましょう」
ピー  「え、えらいこっちゃ。他には」
パパ 「皆さんは、田舎を住み易い場所だと思っているんじゃ
    ないかな」「だが、村社会の付き合いは、想像を絶する
    大変さがあるんだ」
ピー  「えぇっ~! 話が違うじゃんかー」
パパ 「村の人は、都会から移ってくる人を、入り人と言って
    警戒する」「その警戒心を解きほぐせるかどうかが
    田舎暮らしの鍵だ」
    「そうでないと、村の何処に何があるとか、こうすれば
    良いとか、基本的な田舎の生活様式というか、
    つまりは村の掟というものを教えて貰えない」
ピー  「村八分だね」「何か手立ては?」
パパ 「それには、村人と親密に付き合うことだね」
    「でないと、田舎暮らしなんかできないよ」
ピー  「郷に入れば郷に従えだね」
パパ 「そう! 都会の生活スタイルを持ち込むのは厳禁だ」
    「街ではね~・・・とかの発言をすれば、その一言が末代
    まで尾を引く」「ここは○○郡○○村なんだと認識せねば」
    「都会の常識、村の非常識だからね」
ピー  「やんなっちゃうな~」
パパ 「逆に言えば、都会ほど楽チンな生活はないよ」
    「都会の生活でストレスを感じているようじゃ~、
    田舎には住めないね」
    「田舎では、もっとストレスを感じる」
ピー  「今まで逆だと思っていたよー、おいら」
パパ 「認識不足だね。それが原因で田舎暮らしを止めた人を
    何人か知っているけど、悲劇的だね」
ピー  「悲劇的?」
パパ 「うん、あのね、そういう人達は、最初の2年ほどは
    物凄く活発に動き回るし、村人相手に都会の便利さや
    制度を喋りまくっている」
    「しかし、ある時、突然に顔相が硬直したようになり、
    何事もあまり喋らなくなる」
ピー  「何なの、それ」
パパ 「多分、村人と何かトラブルを起したんだろうね」
    「田舎のトラブルは・・・、解決できないよ」
    「そういうトラブルでなくても、自然の厳しさに
    耐えかねて黙り込んでしまう人もいる」
ピー  「こんな筈じゃなかったということかな」
    「結局、その人達はどうしたの」
パパ 「仕方なく都会へ戻った」
    「都会の感覚のままでは、田舎暮らしは無理だね」
    「村人のせいではなく、都会人が問題を持ち込むんだ」
    「だから村人は、都会からの入り人を警戒するんだよ」
ピー  「そういう事なくして田舎に住む方法はないの?」
パパ 「あるにはある」
    「業者によって開発された戸建ての別荘団地に住むことだね」
    「敷地も広いし、こういう処は都会からの移住者ばかりだ」
    「皆さん最大限田舎を満喫している」
    「しかも、都会の生活様式を持ち込んでだ。そらもう快適だ」
    「地域住民も、元都会人ばかりだから話も通じるし、趣味も合う」
ピー  「それ、いいじゃんか!」
パパ 「難点は、生活コストがかかることだね」「なんせ、田舎の
    都会暮らしじゃけんね」
    「それさえ解決できれば、快適な田舎暮らしが待っている」
    「但し、認知症には、くれぐれもご用心を」
ピー  「防ぐ方法は?」
パパ 「そらあんた、人的交流を活発にすることだね」
    「女性に認知症が少ないのは、近所付き合いが活発
    だからだよ。特に田舎の場合はね」
ピー  「男性には、田舎も結構疲れそうだねぇ」
パパ 「次回は、都会人による田舎の生活を想定してみよう」
ピー  「オォ、面白そうだね~」